書評コンテスト

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第2回


第3回図書館書評コンテスト 選考結果発表

   このたび明治大学では、学生の皆さんが読書にいっそう興味を持って、積極的に図書館を 活用してくださることを目的として、「第3回明治大学図書館書評コンテスト」の募集 を行いました。書評コンテスト選考委員会による厳正なる審査の結果、多数の応募作品の中から 次の12作品が選定されました。

 
優秀賞(3編)
高木玲
(情報コミュニケーション学部)
佐治晴夫著『夢みる科学』
玉川大学出版部
書評
羽生真志(文学部) 福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』
講談社
書評
三浦直人(文学部) 水島直文・橋本政宣編注
『橘曙覧全歌集』, 岩波書店
書評
特別賞(4編)
紀伊國屋書店賞
勝俣翔多(商学部) 岡本敏子著『岡本太郎に乾杯』, 新潮社 書評
三省堂書店賞
浅沼駿孝(法学部) 吉田滿著
『軍艦大和 』, 銀座出版社
書評
成田紗絵(文学部) 内田樹著
『邪悪なものの鎮め方』, バジリコ
書評
丸善株式会社賞
新野孝駿(経営学部) 鴨長明著 市古貞次校注『方丈記』, 岩波書店 書評
佳作(5編)
藤倉雪絵(文学部) 角田光代著 近松門左衛門原作
『曾根崎心中』, リトルモア
書評
井出薫(商学部) 山本七平著『「空気」の研究』, 新潮社 書評
柳井孝太(文学部) 片倉もとこ著『イスラームの日常世界』
岩波書店
書評
高須拓夢
(政治経済学研究科前期1年)
草野厚著
『ODAの現場で考えたこと :
日本外交の現在と未来』
日本放送出版協会
書評
清水勇樹(文学研究科前期2年) ジッド[著] 山内義雄訳
『狭き門』, 新潮社
書評

講評

書評コンテスト選考委員会委員長
図書館長 金子邦彦(情報コミュニケーション学部教授)




本コンテストは,今回で三回目となり,前回に比べると応募点数は若干少ないものの,多彩な力作が集まったことは,選考委員会委員長として喜ばしく感じました。
毎回,好い作品が応募され,図書館がおこなう読書推進イベントの一つとして継続する意義を実感しました。

全体的に応募者自身が読書を楽しみ,本の内容を自分のものとして理解できているように感じられました。また,現代社会における諸問題との接点を見出し,その本を薦める意義を論ずる姿勢も評価したいと思います。
総じていえば,本の内容理解,表現の工夫,主張の記述力は,年々着実に向上していると感じられました。

その一方で,残念ながら落選した作品のなかには,その本を読みたいと思わせるには,もう一歩工夫が足りない部分があったように思われました。
たとえば、本の内容を分析しすぎて語りつくしてしまったら,かえって読み手の興味を削ぐ結果を招くことになり,よろしくないと思われる点も見受けられました。 自分が感じた読書の楽しさをあえて語りつくすことなく,読み手に解釈をゆだねる心の余裕も欲しいと感じました。 本の世界に誘い込む,語りの匙加減はどこにあるのか,もう一度自分の作品と受賞作品とを読み比べて,工夫してみて欲しいと願っています。

つぎに,選考委員会における各委員を代弁する形で,つぎのような意見があったことを紹介します。 まず,応募作品全体の印象については,次のような指摘がありました。

  • 傑出した作品はなかったけれども,全体的に質の高い作品がそろったという印象を持った。
    ごく一部に記述内容に事実誤認があると思われる作品も見受けられた。
  • 叙述の展開に,論理的な飛躍があると感じる作品もあった。
  • 相変わらず理系学生からの応募が少ないことは,残念に思われた。
  • 取り上げた題材がマンガに関するものもあり,印象的だった。
  • 普段あまり手に取らないタイプの本についての書評が多いと感じられた。


それから評価のポイント,評価の視点について,若干紹介して参考に供します。

  • ストーリーが知られているベストセラーや古典を対象とした作品は,コンテストの趣旨に照らして,評価を低めにした。
  • 書評作品を読み終えた後,その本を読みたくなったと感じた作品,判り易い文章で記述されている作品を選んだ。
  • 結びの部分を感激しつつ読み終えた作品を選んだ。
  • 反対に,書き出しの印象,その後の展開を重視して作品を選んだ。
  • 実際にその本を読もうという気持ちに駆り立ててくれた作品に高得点をつけた。
 

委員からのこうした指摘は,次回の応募にあたり参考にしていただければ幸いです。

ちなみに,きわめて基本的な心構えですが,投稿前に,念には念を入れて読み直しすることを習慣づけて欲しいと感じました。点検すれば気づいたはずの誤脱が,若干目立ったことが気掛かりです。 ワープロの文章変換機能に頼らず,辞書をこまめに引くことを忘れないで欲しいと思います。

最後になりますが,来賓の各書店代表者の皆さまには,学生の表彰に華を添える副賞を賜り,まことにありがたく,図書館を代表して心より厚く御礼を申し上げます。
受賞者の皆さんには,今後ともより多く読み,より深く考え,より良く書く力を鍛えていかれるよう祈念して講評といたします。
本日は,受賞まことにおめでとうございました。

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