書評コンテスト

第6回図書館書評コンテスト 選考結果発表

   このたび明治大学では、学生の皆さんが読書にいっそう興味を持って、積極的に図書館を 活用してくださることを目的として、「第6回明治大学図書館書評コンテスト」の募集 を行いました。書評コンテスト選考分科会による厳正なる審査の結果、多数の応募作品の中から次の12作品が選定されました。

 
最優秀賞(1編)
折田吉宏
(文学部4年)
大崎善生著『将棋の子』 書評
優秀賞(2編)
大木夏子
(文学部3年)
ペレツ・キドロン編著 ; 田中好子訳
『イスラエル兵役拒否者からの手紙』
書評
山本詩乃
(国際日本学部2年)
橋本紡著
『九つの、物語』
書評
特別賞(4編)
紀伊國屋書店賞
石塚晃一
(商学部4年)
朝井リョウ著『何者』 書評
三省堂書店賞
山田未貴
(商学部2年)
重松清著
『きみの友だち』
書評
長田航平
(情報コミュニケーション学部4年)
内藤正典著
『イスラム戦争 : 中東崩壊と欧米の敗北』
書評
丸善株式会社賞
柳井孝太
(教養デザイン研究科2年)
家永三郎著
『検定不合格日本史』
書評
佳作(5編)
吉村美保
(法学部3年)
ジーン・ウェブスター著 松本恵子訳
『続あしながおじさん』
書評
城内あおば
(文学部4年)
安部公房著
『砂の女』
書評
栗原実希
(法学部1年)
伊藤計劃
『虐殺器官』
書評
三浦直人
(文学研究科1年)
田中ゆかり著『「方言コスプレ」の時代 』 書評
古澤龍平
(文学部4年)
井上ひさし著
『マンザナ、わが町』
書評



講評

書評コンテスト選考分科会長
図書館長 林義勝(文学部教授)



明治大学図書館では,学生諸君が読書に一層興味関心を持ち図書館を積極的に活用してくれることを願って,書評コンテストを開催していますが,今回で6回目となりました。書評コンテスト選考部会における厳正な選考の結果,12作品の受賞が決定しました。受賞者の皆さんには,まことにおめでとうございます。
応募作品の全てを通読し採点した各委員の意見にもとづき,それらを適宜集約して講評を行ないたいと存じます。
まず,応募作品全体について,次のような指摘がありました。

  • 今回は過去最高の応募点数となり,応募者の熱意が感じられたことを悦びたい。
  • 全体的にレベルが高く,言葉を選びきちんと表現できる力量を感じた作品が多かった。ですから応募作品を通覧すると,本の内容理解,表現の工夫,主張の記述力等は全体的に着実に向上しているように感じられました。

他方で,以下のようにもう少し気を使ってほしい点もあったように思われます。

  • 対象図書の選び方が,書評の内容やその評価に影響することを十分理解するとともに,段落の付け方から表記の適否に至るまで吟味することが大切である。
  • 作品を提出する際は,応募要領の「必要事項」を確認し書式を整えて応募すべきである。
  • 文章表現では,変換ミス,段落の欠如,句読点の付け忘れ,意味が理解しにくい語句や記号を用いたり,助詞の用法に疑問を感じたりした作品が見られた。とりわけ昨年は少なかったワープロでの誤変換は,残念ながら若干増加したように思われた。
  • 書評した本の主観的分析に終始し,その本が生まれた社会背景や大きな歴史的文脈への言及が少ないことは,応募作品に共通する弱みといえる。

さらに今回の選考部会では,評価のポイントや視点について次のように踏み込んだ意見がありました。
  • 多くの作品が自分の感動から出発し、読み手に書評した本の魅力を伝えていた。これは大変好ましいことだが,個人的な感動をどう普遍化し、多くの読み手を引き込むことにどのように繋げるか。その部分の評価いかんで,採点に差がついた。
  • 古典的な作品を扱う場合,その作品が現在の社会状況において,なぜ魅力的なのか説明することは難しい。然し、そうした課題に挑戦した書評もあり,好感が持てた。
  • 現在よく売れたり話題になったりした本を書評する場合,話題性が薄れたとき何が残るか見極めが大切である。それには,幅広い知識やふだんの読書経験が役に立つだろう。
  • 読点(、)の位置や語順を入れ替えするだけですっきりした文になりそうな作品があり,推敲の重要性を指摘したい。
  • 作品紹介に事寄せて自分の価値観を押し付けるような書き方はどうだろうか。その本を読むよう推奨するだけの文章は,押しつけがましく感じられた。


選考部会を代表して,各委員から以上のような意見があったことを紹介しておきますが, こうした指摘は,自分の作品を真摯に振り返るうえで参考にしていただければ幸いです。

さて書評コンテストの目的は,読書推進と図書館利用の活性化にあると申しましたが, ここで5年連続の受賞者が誕生したことにも触れておきたいと思います。三浦直人君は,1,2年生で優秀賞,3年生で最優秀賞,4年生で優秀賞,今回は大学院博士前期課程1年で佳作を受賞するという快挙を成し遂げました。  このことは,図書館長としても嬉しく思いましたし,図書館が行なう読書推進イベントの一つとして,書評コンテストを継続する意義をあらためて実感させられました。 ですから卒業年度以外の皆さんには,次回もぜひ応募してほしいと希望しています。

それから表彰後の予定についても,一こと付け加えておきましょう。 2月下旬までに 図書館ホームページで受賞作品を公開します。そのあと中央図書館1階に設ける特設コーナーで書評対象図書を展示します。また図書館広報誌『らいぶ』の別刷に受賞作品を掲載し,学内で配布します。新学期になれば,展示や印刷物を通して後輩や新入生にも受賞作品が認知されることでしょう。  書評コンテストは,ほぼ一年を通して運営されている息の長いイベントであるとともに,諸君の地道な努力は,こうして顕彰するのに値するものだとも言えます。 ほめ過ぎかもしれませんが,受賞した皆さんには,今日の感激を忘れず,今後とも多く読み,深く考え,書く力を一層鍛えて自分の強みの一つとして自信を深めていかれるよう祈念してやみません。  以上をもちまして,書評コンテスト選考部会委員長の講評とさせていただきます。

最後になりましたが,来賓としてご臨席の各書店代表者の皆様には,表彰に華を添える特別賞をたまわり,まことにありがたく図書館を代表して心より厚く御礼を申し上げます。 次回もぜひご協賛いただきたく,厚かましいようで恐縮ですが宜しくお願いいたします。

 本日は,受賞まことにおめでとうございました。

過去の書評コンテスト

第1回


第2回


第3回


第4回


第5回

 

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