書評コンテスト

第8回図書館書評コンテスト 選考結果発表

   このたび明治大学では、学生の皆さんが読書にいっそう興味を持って、積極的に図書館を活用してくださることを目的として、「第8回明治大学図書館書評コンテスト」の募集を行いました。書評コンテスト選考分科会による厳正なる審査の結果、応募作品50点の中から次の12作品が選定されました。

 
最優秀賞(1編)
柳井孝太
(教養デザイン研究科
博士前期課程2年)
村井実全訳解説
『アメリカ教育使節団報告書』
書評
優秀賞(2編)
安田英広
(文学部心理社会学科4年)
中島敦著
『文字禍』
書評
清水勇樹
(文学研究科
博士後期課程3年)
ヴァルター・ベンヤミン著
『技術的複製可能性の時代の
芸術作品』
書評
特別賞(4編)
紀伊國屋書店賞
宮本若奈
(文学部文学科2年)
河野裕子・永田和弘著
『たとへば君 四十年の恋歌』
書評
三省堂書店賞
伊藤優花
(文学部文学科2年)
米屋尚子著
『演劇は仕事になるのか?
演劇の経済的側面とその未来』
書評
藤井太雅
(文学部文学科1年)
村田沙耶香著
『タダイマトビラ』
書評
丸善雄松堂賞
山田拓磨
(文学部文学科4年)
伊藤悟、虎井まさ衛編著
『多様な「性」がわかる本』
書評
佳作(5編)
西山陽太郎
(国際日本学部
国際日本学科3年)
新渡戸稲造著、矢内原忠雄訳
『武士道』
書評
笠嶋涼平
(文学部文学科4年)
夏目漱石著
『門』
書評
川上湧太郎
(情報コミュニケーション学部2年)
薬丸岳著
『Aではない君と』
書評
馬場大貴
(文学部文学科1年)
円城塔著『これはペンです』 書評
中井雛野
(文学部文学科1年)
高野秀行著
『アヘン王国潜入記』
書評



講評

書評コンテスト選考分科会長
図書館長 山泉 進(法学部教授)



明治大学図書館では,2010年度から学生諸君が読書に一層興味関心を持ち図書館を積極的に活用してくれるよう願って,毎年,書評コンテストを開催してきましたが,今回で8回目となりました。 先般開催された書評コンテスト選考部会における厳正な選考の結果,12作品の受賞が決定しました。受賞者の皆さんには,まことにおめでとうございます。 ここでは応募作品の全てを通読し選考にあたった委員全員の所見にもとづき,それらを適宜集約する形で講評を行なうことといたします。 まず,応募作品全体を通覧して,次のような指摘がありました。

  • 評価の基準は,本の内容紹介や分析力の適切さ,評価・批評の出来ばえ,その本を読みたくなった度合い,誤字脱字の有無や段落の付け方,表現力の豊かさに設定した。一方,文書を書く基本的ルールが守られていない応募作は減点又は除外となった。
  • 若者の読書離れが危惧されている中にあって,図書への愛情が感じられ,好感が持てた。
  • 現代小説を論じたものが多かったのは喜ばしい。一方で,本格的ノンフィクション,歴 史,社会科学などの,問題意識にひろがりのあるハードな本に対する取り組みが少なすぎるように思った。
  • 単に客観的に評することなく,評者が抱える内面の問題に引き寄せて評したものが見 られ,印象的であった。
  • 応募作の多くが評者自身の問題意識を反映させ,なおかつ,同世代への啓蒙を意識し て書かれたものであったことは喜ばしい。

他方で,以下のようにもう少し工夫してほしい点もあったように思われます。

  • 書誌的事項が不十分なものが散見された。
  • 対象書物の要約と,評者自身の感想に終始してしまい,「書評」と呼べる水準に達することがなかったものがあった。
  • 書出しが疑問文形式で始まる作品が,10編近くあり,パターン化傾向を感じた。 また,今回の選考部会では,次のように厳しい指摘もありました。
  • 書出しや段落の改行時に,1字下げることなく書いている方が多く,再度見直していれば,気が付けたのではないかと思い,残念だった。
  • 洋数字と漢数字の混用が見られる作品があり,表記に注意してほしいと感じた。一センテンスが5行にわたる長文は,文意がわかりにくく感じた。

さて,書評コンテストの目的は,読書推進と図書館利用の活性化にあると申しましたが, 第8回目となり,第1回目当時より,誤字や誤変換は,全体的に格段に減少しました。今回は継続して応募してくれている方も受賞され,回を経て実力をつけられたことに対し,図書館長として喜ばしく思いましたし,読書推進のためのイベントの一つとして,書評コンテストは今後とも継続されてゆくことが望ましいと,その意義を再認識させられた次第です。 また,昨年は,この書評コンテストがきっかけで,新しいつながりができました。「週刊読書人」という書評専門紙があります。評判の良い新聞で,本学でも中央・和泉・生田図書館で購読しています。その代表取締役社長が,書評コンテストの受賞作品集を閲覧され,本学が学生の読書推進に力を入れていることを感じ,週刊読書人の新しい企画であった「大学生による書評」への投稿の依頼がありました。昨年度の受賞者から2名の方の書評が掲載されました。とても喜ばしいことです。この企画は来年度も継続されるとのことですので,皆さんも是非応募してほしいと希望します。 それから,この表彰式以降の予定も,一言付け加えておきます。2月下旬までに,図書館ホームページで受賞作品を公開します。その後,中央図書館1階に設ける特設コーナーで,書評対象図書を展示します。また,『受賞作品集』として受賞作品を掲載した冊子を発行し,配布します。新学期になれば,展示や冊子を通して在学生や新入生にも,皆さんの受賞作品が認知されることになるでしょう。

最後になりましたが,来賓としてご臨席の各書店代表者の皆様には,受賞に華を添える特別賞をたまわり,まことにありがたく図書館を代表して心より厚く御礼を申し上げます。次回もぜひご配慮いただきたく,恐縮ではございますが,改めて宜しくお願いいたします。

 本日は,受賞まことにおめでとうございました。

過去の書評コンテスト

第7回


第6回


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第4回


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第2回


第1回


 

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