特色GP

「教育の場」としての図書館の積極的活用 -図書館の持つ教育力を教育に活かす-

学長 納谷廣美

この度、本学図書館のゼミツアーやフリーツアー、図書館活用法、活用法のデジタルコンテンツ化などの多元的なリテラシー教育活動が、平成19年度「特色ある大学教育支援プログラム」(略称:特色GP)に採択されました。(文部科学省の発表はこちら) 特色GPとは、文部科学省が、「各大学、短期大学で実績をあげている教育方法や教育課程の工夫改善など学生教育の質の向上への取組を更に発展させる取組の中から、国公私を通じて特色ある優れた取組を選び、サポートする」(文部科学省HPより)ものです。 本学では、長年にわたって、図書館を学術情報の集積地としてのみならず、『教育の場』として積極的に位置づけ、図書館の活用を教育課程に組織的・継続的に取り込んでいます。この取組みが、学部教育における導入教育として重要な位置を占め、専門教育の学習支援としても有用であると認められたものです。 今後さらに改善を加え、一層の充実を図ることはもとより、「社会に広く情報提供し、高等教育全体の活性化」(同上)にも寄与すべく努力して参ります。

取組概要

取組名称
教育の場としての図書館の積極的活用
概要
明治大学では、図書館を学術情報の集積地としてのみならず、「教育の場」として積極的に位置づけ、図書館の活用を教育課程に組織的・継続的に取り込んでいます。この取組は、学部教育における導入教育として重要な位置を占め、専門教育の学習支援としても役に立っています。具体的には、全学部生が履修可能な正課授業「学部間共通総合講座『図書館活用法』」による体系的な情報リテラシー教育、各学部の授業の中で実施する「ゼミツアー」などによる、多元的な教育活動の展開である。教員、学生からの評価は高く、年々規模を拡大しています。
特徴
  1. 『図書館活用法』の特徴は(1)情報機器を使った実習を重視していること(2)教員と、図書館員が協働で授業に当たっていること(3)単位認定をしていることにあります。学生による授業評価アンケートにおいて、実習型の授業は役立ったという意見が寄せられており、評価が高い。この講座の他と違う特徴は、教員だけでなく多数の図書館員が授業を担当していることであります。教員による講義と現場を熟知した図書館員による実践的な指導とが相乗的な教育効果を生み出しています。また、単位認定をしたことで、学生及び教職員にこの授業の重要性を認識させ、内容の充実と緊張感をもたらしました。「ゼミツアー」では、教育効果を上げるために、図書館員が教員と連絡を密にし、申込書式を改善することなどにより個別の要望を反映できるようにしました。広報活動としては、教務部委員会・教授会を経由して全教員に利用を呼びかけています。
  2. 『図書館活用法』と「ゼミツアー」では、図書館を利用する際のモラルや利用規程の遵守について必ず解説しています。加え て、近年、インターネットや著作権を巡る犯罪や違法行為が多発していることから、『図書館活用法』のカリキュラムに「インターネット講習会」と「図書館と 著作権」を加えました。前者は、ネットワークの仕組みを知り、マナーや倫理的な問題について学生に認識を持ってもらうためのものであり、この授業に出席し ていないと、以後の実習授業を受けることができません。後者は、文化的所産としての著作物を公正に利用するための法知識を理解し、図書館の図書・雑誌の複 写利用や、論文・レポート作成における引用について学ぶものであります。
  3. 現代は生涯学習の時代といわれています。生涯学習の拠点として図書館を使いこなすことができれば、人生の質を高めることもできます。学生時代に図書館活用術を身につけさせることは、学部における教育効果の底上げに貢献することは申すまでもありませんが、「知識基盤社会」における、知力を備えた強い「個」の創出にもつながるものであります。次代を担う人材の育成に、図書館活用は欠かせないと考えています。 『図書館活用法』では、検索した大量の文献等を、タイトルや抄録などから取捨選択する技術を養うことをねらった内容が含まれています。現代は情報過多の時代と言われており、このような授業内容は現代的課題に対処したものといえます。

図書館活用法

「図書館活用法」は、2000年度にスタートしました。これは、学部間共通総合講座という全学部学生に開かれた選択科目の1つであり、半期、2単位となっています。

半期14回で、それぞれの講義は有機的に連関しています。情報・資料検索技術の実践的学習を土台に、集めた情報・知識をレポート・論文の作成に生かす基本 的技法を学びます。また、情報を利用する上でのマナーを学ぶ「インタネット講習」、社会性の涵養を考慮した「図書館と著作権法」など、社会的マナーや倫理 的な問題について学生に認識を持ってもらう仕組みにもなっています。

実学的要素(スキル獲得)と、図書を通じた学びの楽しみ、そして現代的課題を伝える要素も併せ持つよう配慮しています。

教員講師と、図書館員が講義担当を分担し、協働して教育にあたっているところが本講座の大きな特色です。

ゼミツアー

ゼミツアー」は、一般的な図書館ガイダンスとは異なり、個々の授業科目を担当する教員の要望に応じて、図書館員が図書館の施設・資料案内、情報検索実習などをコーディネートする点に大きな特徴があります。

1年生向けの導入教育、あるいは、上級学年を対象とした専門教育など、授業に応じて担当教員との事前打ち合わせを丁寧に行い、効果的な教育支援を実現しています。

デジタルコンテンツ

「図書館活用法」のデジタルコンテンツを作成し、大学及び図書館ホームページで公開し ています。これにより、「活用法」の内容は、授業を履修している学生の予習・復習だけでなく、卒業生や広く社会人にも役立ててもらえるようになりました。 学外からの閲覧が可能です。これは、本学の教育内容を、学内外で幅広く共有してもらうための試みです。

現在は「明大OPACの使い方」、「雑誌情報の探し方」、「図書館と著作権」について学べるほか、本学の各キャンパス図書館のガイドツアーを動画で見ることができます。コンテンツはさらに拡大していく計画です。

その他の取組

  • フリーツアー
    ゼミを履修していなかったり、ゼミツアーの際に出席できなかった学生に配慮して、個人で申し込める図書館利用ガイドツアーを常時実施しています。
  • 出前講義
    教員の要請に応じて、授業時間に図書館員が教室に出向いて、ゼミツアー同様の図書館利用指導を行います。
  • 各種ガイダンス
    新規に導入した外部データベースや電子ジャーナルの使い方などの講習会、適宜実施しています。

関連資料

図書館の教育力 / 広沢絵里子
大学図書館における利用教育を考える / 斎藤 晢
図書館リテラシー教育と学生の反応− 「図書館活用法」の実践か / 大野友和

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