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39. ■蘭新譯地球全圖 / 水戸赤水先生閲, 浪華 橋本直政伯敏氏製, 平安 錢 希明子遠甫校;彫工 大坂安堂寺町西横堀 小林平八, 京師六角通御幸町 小川太左衛門

寛政八年歳丙辰冬十一月官許印行 -- 書坊 江戸東叡山池之端 北澤伊八, 大坂高麗橋壹町目 淺野弥兵衛, 同瓦町二町目 岡田新次郎 -- 木版(彩色) -- 1舗 -- 50.5×89.9cm(27.9×17.3cm)
寛政八年丙辰之歳日躔翼宿 浪華佛齋居士曾之唯應聖父■

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作者橋本伯敏(宗吉)は大槻玄沢に蘭学を学んだ。本図は東西二球図を含むオランダ語による書籍をもとに作られた。図の周囲の解説文は宗吉が撰文したものと思われ、漢籍や朽木昌綱『泰西輿地図説』、森島中良『紅毛雑話』などを引用している。北アメリカのカリフォルニヤ半島が大きな細長い島として描かれる。天文学の説明では天動説を採用するなど、本図の特徴は新説と旧説が入り交ざっていることにある。宗吉とは玄沢塾の同門であった山村才助は『読□蘭新訳地球全図』で厳しい批判を加えた。欠点は多いが、東西二球図の形の世界図としては、司馬江漢の「地球図」(寛政4年刊、銅版図)に続く我が国で二番目の出版として重要な意味をもつ。本図をもとにした小形の偽版が多く出版されて流布した。



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