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おわりに

 文化史に関心をもつ立場から,『北搓聞略』附図につき,論を試みた。その一は,附図8(計8枚)も附図7同様,1787年・ペテルブルク刊であることが『オランダ商航日記』の記事によって傍証しうる。これは船越説にいっそうの確信を与えるものである。その二は,これらの地図をカピタンに示した人物は,田辺安蔵あるいは最上徳内と推定した。とくに後者と考えたい。ただし,これを証する史料の出現をまちたいと思う。

[謝辞] オランダ語につき日蘭学会の Ms Isabel van Daalen にさまざまな教示を得ました。記して謝意を表する次第です。

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