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蘆田文庫目録
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『蘆田文庫目録 古地図編』 蘆田文庫編纂委員会 2004年3月刊行
- 刊行にあたって 蘆田文庫編纂委員会委員長 小疇 尚
本書は、明治大学図書館が所蔵する蘆田文庫の古地図総目録である。
蘆田文庫は、歴史地理学者・蘆田伊人氏が(明治10−昭和35年)が遺した
蔵書を、1957年に文部省の助成をえて明治大学が購入し、本学中央図書館に
氏の名を冠して一括管理しているものである。その内訳は書籍約1000点、絵
図・地図類が約2000点で、質量ともに後者の比重が大きい。氏は東京の戦火
を避けて、昭和20年に蔵書を郷里の福井と縁故のあった諏訪に疎開させたが、
福井に移したものの大半は昭和23年の福井地震で罹災し、失われたといわれ
る。幸い地図類の多くは諏訪に移されたためそのまま残り、後に本学に収ま
ることとなった。
蘆田文庫の古地図類は、世界全図や日本全図のよう
な広域なものから、城郭の平面図、社寺境内・名所案内図のようなごく限ら
れた範囲の図まで、地域や範囲もさまざまで、その種類も江戸時代の一般的
な全図、国絵図・村絵図、道中図、鳥瞰図などのほか、明治時代以降の地質
図をはじめ各種の主題図が含まれている。その時代は江戸時代初期の17世紀
半ばから20世紀半ばまでの300年にわたり、とくに幕末から昭和初期にかけ
ての、国土が急激に変貌し地図の作製法、表現法も急激に変化した時期のも
のが多い。また、蘆田氏自身の手写図も多く、歴史地理学の研究上の必要か
ら収集されたものであることがうかがえる。その点、希少な古地図の蒐集が
目的のコレクションとは異なり、かなり地味な古地図集成であるといえよう。
明治大学ではこの蘆田氏の古地図コレクションを中核にすえて、日本
の国土が内外でどのように認識されてきたかを知るうえで重要な資料となる、
古地図を継続的に収集しており、それらも蘆田文庫に組み入れている。した
がってこの目録には、それら新規に購入した古地図と個人から寄贈されたも
のも含めた、明治大学図書館所蔵の古地図類がすべて網羅されている。
本目録の作成は、明治大学人文科学研究所創設40周年事業として企画され、
図書館の全面的な協力をえて組織された蘆田文庫編纂委員会がその任に当たっ
た。委員会は岩井憲幸文学部教授を中心に、1998年春から2000点余の古地図
の総点検を行い、学外の学識者や図書館、博物館の協力も仰いで、このほど
作業を完了した。この目録が各方面で活用され、調査・研究の進展に役立て
ば幸いである。
- 目録凡例
- 目録
新収目録 2003〜2005 その1 蘆田文庫研究会中間報告 1
(図書の譜 明治大学図書館紀要第11号) 2007年3月刊行
新収目録 2003〜2005 その2 蘆田文庫研究会中間報告 2
(図書の譜 明治大学図書館紀要第12号) 2008年3月刊行