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17. 武相豆房総海傍之圖(表紙直書)
文政二己卯年春写鷹見氏 -- 手書図(彩色) -- -- 1枚 -- 74.7×107.3cm
本図はいわゆる伊能中図(13参照)の模写による江戸湾を中心とした沿海図である。朱線で引かれる方位線など伊能中図の特色が明白である。「文政二年己卯年春寫鷹見氏」の識語がある。この図を模写した鷹見泉石は古河藩家老で、海外の知識や情報を重んじた。とくに地誌類や地図の研究に熱心で、自ら「(新訳)和蘭国全図」を作成している。このころは対外的危機に備えるため江戸湾の防備が急務となっており、幕府は文化7年(1810)会津藩・白河藩に江戸湾警備を命じ、文化8年ごろから相模・上総・安房の海岸に砲台を設置するなど江戸湾の防備に着手した。本図はこうした情勢のなかで江戸湾の防備体制を検討するために作られたと考えられる。泉石は本図のほか文政12年(1829)にも「沿海地図」と題する伊能小図の模写(古河歴史博物館蔵)を作っている。
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